最低賃金について

8月5日、私が委員を務める東京地方最低賃金審議会が、東京都の最低賃金を31円引き上げて1072円とするよう、東京労働局長に対し、意見を述べました。この意見は、最低賃金を全国加重平均で1000円以上とすることが国策とされている中、現下の経済情勢や現行の法制度の下では、妥当なものであると考えています。 もっとも、労使の双方から見て、不十分な意見だと言わざるを得ない、とも考えています。 すなわち、労働者側から見ると、時給1072円という金額は、1か月に176時間働いたとしても月収18万8672円にしかならず、健康で文化的な生活ができるに足る金額とは言えません。 また、使用者側から見ると、中小零細企業等の事業者の経営に重大な影響を及ぼしかねない金額です。政府は、事業者に対し、生産性向上及び賃金引上げのための支援策を実施していますが、その主なメニューは、助成金・補助金の支給や融資であり、生産性向上に効果的であるとは言い難く、むしろ生産性の低い事業者を生存させること(生産性の向上にはマイナス)に寄与している可能性もあります。真に事業者の生産性向上を図る施策はどのようなものか、このことを希求していきたいです。

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